2025.04.15
お知らせ
すみれだより 11月巻頭言
<見立てて楽しむ>
先日砂場に遊びにいくと、砂に水を加えグルグル混ぜて「チョコレート作っているの」と見せてくれました。室内では、積み木を積んで「家」を作っていて、平らなところを指さして「ここがリビングってことね」と場所の使い方を友だちと共有しながら遊んでいました。別な部屋では空き箱をいくつか組み合わせて電車を作っている場面にも出会いました。
このように子どもたちは遊具や教材、廃材などを何かに見立てて遊ぶことが多くあります。砂や土がチョコレートになったり、カレーライスになったりします。同じ形のブロックでも時によって食べ物、乗り物、建物や生き物になります。ホールにある大きな積み木は子どもたちの手にかかれば、家になることもあれば、乗り物や基地、お城、海などあらゆるものに変化させてしまいます。そしてあたかも本物がそこにあるように、ブロックの食べ物をもぐもぐ食べるフリをしたり、乗り物を運転する動きをしたりして表現することも楽しんでいます。
子どもたちは創造力を働かせてイメージを描き、遊具や場所を他のものに見立てて遊んでいます。また自分だけの世界に留まらず友だちと描いたイメージを共有しながら遊びを進めます。そして教師は子どもたちの描いたイメージの世界を理解し共感して一緒に楽しみ、見立てる遊びが発展するために必要な教材を準備しています。
幼稚園ではなるべく様々なものに見立てることのできる汎用性の高い教材や遊具を取り入れています。砂や泥、粘土類は可塑性のある素材として色々なものに見立てるのにふさわしいもので、子どもたちが好んで使う
素材です。これからも子どもたちの「見立て」の世界がより豊かになり、創造性が育まれるような教育を行ってまいりたいと存じます。 園長 福永典子