2023.06.14

すみれだより

すみれだより巻頭言5月

<ムダはムダですか?>

私は長年、大学の授業や企業の研修で「ムダ」について話をしてきました。企業活動の効率化を図るためにはムダ取りは改善の第一歩となります。ムダ取りで最もよく知られている活動は、トヨタ生産方式で行われている「7つのムダ」で、まずはこの7つを紹介します。

(加工のムダ)必要でない作業は行わず、必要な作業だけ行うようにします。

(在庫のムダ)材料・仕掛品(途中まで作成したもので「しかかりひん」と読みます)・製品など余分に置いておくとスペースが必要になり、在庫のための費用がかかります。

(不良を作るムダ)製品を作ったはずなのに売れないものであったときは、廃棄しなければならないので、材料費と加工のための人件費がムダになります。

(手待ちのムダ)何もしていない時間も人件費として支払う必要があるので、その分有効な作業に時間を使うようにします。

(作り過ぎのムダ)必要以上の量を作っても欲しい人がいなければ捨てることになります。

(動作のムダ)動作とは右手、左手がどのように動くかということで、このくらい細かく見ることにより秒単位で時間を有効に使えるようにします。

(運搬のムダ)運搬は付加価値を生まないと考えられ、できるだけ移動しないで作業を行えるようにします。

トヨタではこれらのムダを徹底的になくすことで大きな利益を上げることができ、この活動は今でも続けられています。また、普段の生活でも思い当たることがあると思います。

とはいえ本当に全てのムダはムダなのでしょうか。子どもたちの活動を見ているとそうでないことがわかります。大人から見るとムダなことでも、子どもはそれらのムダから多くのことを学んでいます。なので子どもにとって全てのムダはムダではないと考えられます。でも、大人になってからは必要なムダと必要でないムダを切り分け、必要でないムダは無くしていくことで、子どもに接する時間や自分の時間を増やしていくとよいと思います。 理事長 渡邉一衛

 

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